脂肪吸引後の合併症(論文の紹介)
- 2026年5月10日
- コラム
ダイエットでは得られない綺麗なボディーラインを形成する手術の脂肪吸引ですが、大きなメリットがある反面、リスクもあります。
なかなか自由診療の脂肪吸引でそのリスクの詳細を聞くことはありません。今回は症例報告の論文を紹介したいと思います。
日救急医会関東誌 41(4),2020年
「脂肪吸引術後の術後合併症により救急搬送され入院加療が必要となった4例の検討」
救急の雑誌になります。脂肪吸引後に帰宅途中~帰宅後夜間に救急搬送になっています。いずれも術後出血、出血性貧血の診断で入院になっています。
この論文で考察にドイツでの先行研究では脂肪吸引量が多いこと(2,500mL以上)と手術時間が長くなること(3時間以上)が組み合わさると重大な出血が起こることも示されているとあげられています。また、米国テキサス州で行われた脂肪吸引術を日帰りで行うにあたって,安全性を評価した論文では術中の出血が500ccを超える場合は血液製剤の使用の検討をする必要があり,また総脂肪吸引量は5,000 cc 未満,手術時間は6時間以内でなければならないと示しているとも挙げられています。
吸引量と手術時間が術後出血、出血性貧血の大きな要因であることは間違いないと思います。さらに日本人の体型を考慮するともう少し少ない脂肪吸引量が安全な脂肪吸引量であることが予想されます。このことからReBeAS CLINICでは脂肪吸引量が多量になりそうな場合では、回数を分けて手術を行ったり、出血が少ないとされるアキーセル脂肪吸引での施術を行い、手術中の輸液を十分に行い、術後に十分な圧迫止血(圧迫着の着用)を行うことで予防を行っています。
今までに大きな合併症が起こっていないから大丈夫ではなく、過去の症例で実際にどのような合併症があるかを検索し対策をより十分にして安全に手術が行えるようにしています。